2026年01月22日

【粉体塗装】トリボとコロナの違い


粉体塗装をご依頼頂くお客様から多いご質問として、トリボ式ですか?コロナ式ですか?というご質問を頂きます。
まとめてみましたので、ご不明な際はこちらをご覧いただけますと幸いです。

粉体塗装ガンの方式:トリボ(Tribo)とコロナ(Corona)の違い

  • コロナ:ガン先端の電極で空気をイオン化し、粉を帯電させてワークへ引き寄せる方式。汎用性が高いが、形状や設定次第で隅・凹部が苦手になりやすい。

  • トリボ:粉がガン内部の部材(例:PTFE系)と擦れて帯電する方式。隅・折り曲げの内側に入りやすい傾向がある一方、粉の相性湿度など環境の影響を受けやすい。


1. 仕組みの違い(何が起きてる?)

コロナ(Corona)

  • ガン先端に高電圧をかけ、周囲の空気をイオン化(コロナ放電)。

  • そのイオンの影響で粉が帯電し、接地されたワークに引き寄せられて付着する。

  • 「電界(場)」を使って引っ張るイメージ。

トリボ(Tribo)

  • 粉がガン内部を流れる際、内壁との摩擦で電荷が移動(摩擦帯電)。

  • 粉自体が帯電してワークへ付着する(※強いイオン場を前提にしない)。

  • 「粉の流路(摩擦)」で電気を作るイメージ。


2. 比較表

項目 コロナ(Corona) トリボ(Tribo)
帯電の作り方 電極+高電圧でイオンを発生 → 粉を帯電 ガン内部で粉が擦れて帯電
得意な形状 平板・外観重視・幅広いワーク 折り曲げ内側、隅、入り組み形状に強い傾向
苦手になりやすい形状 折り曲げ内側・奥まった凹部(ファラデー部) 超高速・高吐出が必要なライン(本数増になりがち)
外観トラブル 設定次第で“過帯電系”が出ることがある イオン場由来のトラブルは出にくい傾向
粉の汎用性 高い(いろんな粉に対応しやすい) 相性が出る(トリボ向け粉が必要な場合あり)
環境の影響 比較的受けにくいことが多い 湿度・エア品質・ガン内部摩耗などの影響を受けやすい
色替え・段取り 比較的やりやすい 条件次第で手間が増えることがある(粉・付着管理)
ざっくり一言 “万能型” “形状に効く職人型”

※実際の優劣は「粉種」「形状」「膜厚狙い」「ライン速度」「環境管理」で変わります。


3. よく出る現象との関係

ファラデーケージ効果(折り曲げ内側に粉が入りにくい)

  • 起こりやすい:コロナ
    電界が強いと、粉が入口や角に集まりやすく、内側が薄くなることがあります。

  • 起こりにくい傾向:トリボ
    強いイオン場に依存しないため、内側へ“回り込む”方向に働きやすいケースがあります。

“過帯電系”の外観トラブル(ゆず肌・バックイオンなど)

  • コロナは設定(電圧/電流/距離/吐出)次第で出ることがあります。

  • トリボはイオン場が原因のトラブルは出にくい傾向ですが、別軸(湿度・粉相性・流路汚れ等)のブレが出ることがあります。


4. よくあるQ&A

Q1. 塗着効率が高いのはどっち?
A. 条件次第です。平板中心で最適化できればコロナで十分高効率になります。折り曲げ内側の手直しや再吹きが多いなら、結果としてトリボの方が“工程全体の効率”が上がることがあります。

Q2. 色替えが多いなら?
A. 一般にはコロナの方が運用しやすいことが多いです。トリボは粉相性やガン内部の付着管理で手間が増えるケースがあります。

Q3. トリボにすればファラデー問題は必ず解決?
A. “必ず”ではないです。形状の深さ・粉雲の作り方・搬送姿勢・ワークのアース・膜厚狙いで結果は変わります。ただし「折り曲げ内側に入りやすい」という方向性は期待しやすいです。